習い事は本当に必要?教育費の使い方について
教育費が高すぎる
育児において、教育費は大きな悩みの一つです。我が家でも子どもを習い事に通わせるための費用が家計を圧迫しています。習い事には様々な目的がありますが、最終的には子どもの未来のためと考える親が多いでしょう。しかし、習い事に多額の費用をかける必要は本当にあるのでしょうか?
教育費と将来の収入の関係
「良い学校に進学してほしい」「良い職業に就いてほしい」と願う親心は理解できます。独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計」2019年版によると、男性の生涯賃金は以下の通りです。
- 高卒男性の生涯賃金:2億5,440万円
- 大学・大学院卒男性の生涯賃金:3億2,810万円
高卒と大卒の差額は7,370万円です。しかし、これは高卒と大卒の比較であって、大卒の中での比較となると、もう少し縮まるでしょう。習い事にかかる費用と将来の収入のバランスを考える必要があります。
習い事にかける費用の計算
広島は、地方都市の割に小学受験や小学受験が盛んな地域です。年少から小学受験に備え塾に通わせ月に3万円払っている、というのも珍しく有りません。公文式や七田式など、受験対策ではなくても知育として勉強させている家庭も少なくないでしょう。
課金をして高学歴⇛生涯年収を高める道を歩ませるために3万円の習い事を18歳まで続けるとします。
- 月に3万円 × 12ヶ月 × 15年 = 540万円
特別講習や教材費、移動費などを考慮すれば、さらに費用がかかる可能性もあります。 学校を私立にするか公立にするか、でもこの金額は倍くらい違うものになりそうです。 しかし、この540万円を別の形で活用できるかもしれません。
資産運用の可能性
上記のお金を、全世界株式にインデックス投資し、年間利回り6%で運用したとします。
15歳の時点でもっている540万円は65歳まで運用を続けると、追加投資なしでも約1億円になります。
もちろん、インフレを考慮すると現在の1億円とは価値が異なりますが、老後の心配を減らすためには十分な金額です。実は、「学力投資」よりも「金融資本に投資」の方が堅実かもしれません。
習い事以外で得られる成長
習い事には金銭的価値だけでなく、人間関係や人生を豊かにする力など、金銭的価値に置き換えにくい成長があります。しかし、こうした体験は必ずしも習い事に通わせなくても得られるものです。例えば、地域のボランティア活動や家庭内でのDIYなど、工夫次第で多くの経験を積むことができます。
具体例:習い事以外の成長機会
- 図書館:我が家の行きつけ。無料で自ら広い知の世界にとびこむことができます。知識を広げる絶好の場所です。読書習慣は、学力はもちろん人生を豊かにするためにもおすすめなスキルです。
- 家庭菜園:自宅で野菜を育てることで、自然のサイクルや食の大切さを学ぶことができます。親子で協力して作業することで、チームワークも育まれます。ベランダで小さなプランターで行うだけでも、成功体験や失敗体験を収穫することができます。我が家のおすすめは、青じそです。
- 地元のイベント参加:地域のイベントやフェスティバル、有料の体験型イベントも探せば数多くあります。多様な人々と触れ合う機会が増え、コミュニケーション能力が向上します。子どもの興味関心を広げたり、没頭できるものを探す意味で色々なイベントに参加してみるといいでしょう。
- 親子スポーツ:我が家は苦手ですが、近所の公園で一緒にスポーツをしたり、ピクニックをしたりもできます。本気で鬼ごっこをする、一緒に鉄棒をする。思い出づくりにもなります。
- 科学実験:学校でできるような科学実験も、いまやいくらでも家でできます。Youtubeをみればいくらでも紹介されていますし、実験キットだってメルカリで買えます。最近は科学実験を楽しめる習い事もありますが、そこに1回通うお金で、たくさんの実験ができます。我が家はそこのパンフレットをみて子どもがやりたそうにしたら家でやってみよう、と子どもに投げかけています。
- 料理:科学実験の亜型ともいえます。料理は科学です。なぜパンケーキはふくらむのか。なぜゆっくり火を入れるのと早く火を入れるので食感が違うのか。すぐには理解できなくても、日頃の小さな体験は将来の科学への興味を深めると思っています。加えてそもそも、料理ができるだけで人生の満足度が上がると思っています。
- 子育て仲間を作る:これは我が家もやりたいけどなかなかできていないことですが、理想的には上記の実験や料理など、工夫で楽しめることを子どもが好きな友達や、仲の良い家庭とできたら良いな、と思っています。このブログじたい、そんな仲間に会えたらと思って初めた麺もあります。
月に3万円×12ヶ月×15年=540万円
実際には、特別講習、教材費、移動費、送迎費など様々な経費がかかり、これを上回ることにはなるでしょうが、これだけであれば生涯年収が上がるなら十分にもとがとれそうです。
親からもらう500万円より、それ以上の稼ぐ力をもらうほうが子どもも嬉しいのではないかと思います。
まとめ
「習い事」にかける費用の金銭的価値を見直し、本当に生涯年収を高める効果があるかを考えてみましょう。幼少期から習い事に多額の費用をかけるより、そのお金を投資に回すことも、子どもにとって金銭的には悪くない選択肢かもしれません。
上記はあくまで金銭面で比較しただけです。子どものためにお金を投資に回せ、と言いたいわけでは有りません。
家計に負担がかかってでも習い事をしないと、と感じてしまっている人が、これを機に「この習い事は何のためか」と考えたら楽になれたら幸いです。
ちなみに我が家ではこの考え方を基に、一部の知育系習い事を削り、その分「人生が豊かになるための活動」にシフトしました。結果として、習い事の予算は変わりませんでしたが、夫婦で目的を考え直す時間ができたことで、納得して子どもを育てることができています。また、子どもが様々な体験を通じて、どんな特性があるのかを深く理解することもできました。
家計に無理をしてでも習い事にお金をかける必要はない、と安心して育児に取り組めたら幸いです。